セネガル日記_職業見学_幼稚園(Ecole matemelle)_ピアノのボランティアを始めました_1103

 セネガルでピアノをする人はまだまだ少ないようで、この学校を経営されている方から「小さい子供たちに『きらきら星』を教えて欲しい」と頼まれました。初めは、「今までピアノを誰かに教えたことがないこと、中学1年生までしかピアノをしておらずあまりピアノが弾けないことから私は適任じゃない」とお断りしたのですが、「小さい子供たちだからそんなに負担に感じなくていいし、『きらきら星』だけを弾ければいいし、私たちはピアノを触ったことがないからやってくれないか」と言われてしまったので、恐る恐る引き受けました。担当になったのは幼稚園の年長さんのクラスで、約8人の学生がいます。朝の歌の授業が終わった後に20分(1レッスン分)教えることになりました。

 「さあ、頑張ろう!」と張り切った初回の授業は、まさかの停電で、電子ピアノが動かないためその時間にできなくなりました。全員の授業が終わるまでに電気が回復するか分からず、取り敢えず普段の授業を続けて待つことになりました。しかし、中々停電は回復せず、今日は何もしないかどうか決める必要があって、私はピアノの「ドレミファソラシド」だけは教えたいという意思をそのクラスの先生方に伝えました。そして、予め印刷しておいた鍵盤のプリントを子供達に配り、「ドレミファソラシド」というYouTubeの音源に合わせてその音が発音でき、またその音の鍵盤に指が置けるように何度が練習しました。フランス語で教えるなんて本当に恐ろしかったですが、先生方のサポートがあって子供達に「ドレミファソラシド」の感覚を少し伝えれたように感じます。次の授業では実際に鍵盤に触って「ドレミファソラシド」という音が出る感覚を知ってもらえたらなと思いました。

 また、あのメロディーを聞くと私たちは「きらきら星」と直ぐ認識できますが、この学校ではあのメロディーは「ABCの歌」または「Ah! Vous dirai-je MamanAh ! Vous dirai-je Maman + karaoke | Comptines bébé - HeyKids - YouTube)」の歌と認識する人が多いです。そこで私は「あれ?『きらきら星』は日本や英語圏だけの歌なのかな?」と疑問に思いました。そして調べてみると「きらきら星」は元々18世紀末にフランスで流行したシャンソン「Ah! Vous dirai-je Maman」が元となり、その後イギリス人によって替えられた歌が「きらきら星」という童謡として世界中に広がったそうです。「Ah! Vous dirai-je Maman」の方が元々の歌だったんですね。なるほど、フランス語圏の国では「きらきら星」と言っても通じない訳です。