セネガル日記_Fatick, Toubakouta_2日目

①朝食

 2日目、朝8時に朝食が部屋の前に運ばれてきました。Toubakoutaの夜は思いの外涼しく、快眠で目覚めがとてもよかったですし、起きて外に出ると沢山の自然が広がって気持ちよかったです。クロワッサンとバゲットに、ゆで卵やジャムを挟んで、ホットティーやホットミルクと一緒にゆったりとした朝食の時間を過ごしました。

朝食

②Sipo島へ

 9時半頃、イブさんのお宿から徒歩で5分くらいの波止場からボートに乗ってマングローブツアーに出ました。Toubakoutaのbras de mer(大湾)には何万本ものマングローブが生存しており、濁流した海水の川に沿って奥が見えないほどのマングローブの森を横目に見ながらボートの旅を楽しみました。この場所には、イルカ、カニマングース、ハイエナ、沢山の魚と鳥が生息しているそうですが、残念なことに鳥と魚しか船から見ることができませんでした。この場所は海水であるため、水は塩辛く、潮の満ち引きにより水の量に変化があるのですが、海からある程度離れている場所にあるため、ボートが通った後に出来る人工的な波以外は、波が全くできず、それがとても不思議で神秘的に感じました。波がないことで、マングローブや空の景色が水面に鏡のように映っていたのです!

 しばらく船のツアーを楽しみ、Sipo島へ行く前に、イブさんがマングローブの森に寄って下さりました。その場所は特に根っこが水上に浮き出ているのが目立ち、力強さを感じる木が沢山ある場所でした。その場所で、「ここ根っこは頑丈だから上陸しても大丈夫」と言われて、私たちはマングローブの木に木登り?根登り?をして楽しみました。見た目は細い根ですが、体重をかけてもびくともしないほど頑丈なものでした。下は海水ですし少しヒヤヒヤしながら、いいアクティビティができたと思います。

 いよいよSipo島へ。この島には2022年の4月、110歳で亡くなられた女王様が住んでいました。セネガルの初代大統領が1960年に就任し今まで、全ての大統領とお会いになった方です。そんな凄い方がこの場所にいらっしゃたようですが、惜しくも会うことができませんでした。今は息子さんが後を継いでいるそうです。Siop島には100人くらいの方が暮らしています。車やバイクが一切走っていない場所で、人々は馬車と自分の足で生活していました。私たちが訪れた時は何人かで畑を耕している風景が見れましたし、歩いているとダカールでは見られない木と藁のような素材で作られた建物が目立ちました。

Toubakoutaは大湾の近くにあります

波が全くないので鏡のよう

マングローブの森

マングローブの木で、木のぼり

Sipo島の建物

 Sipo島にもお土産を売るお母さん達が何人かいました。ここで取れた貝殻を加工して作ったストラップやアクセサリー、木彫り、様々な種類のジャムなどが売られていました。私は、中でもマングローブの花から取れた蜂蜜にとても興味が惹かれお土産に買いました。マングローブの花は7月あたりがシーズンだそうで、その花を見ながら船旅を楽しんだのと、緑豊なこの土地をみて、蜂蜜が欲しくなったのです。また、この島でマングローブの面白い知識を一つ教えてもらいました。マングローブは細長い種を地面に縦向きに挿すと自然と成長していくそうです。私も一本だけ貢献してきました。

バオバブの花から採れた蜂蜜

バオバブはタネを縦に挿すと成長するそうです

 

③船の上で「アタヤ」

 Sipo島からの帰り、イブさんが船の上で「アタヤ」を作ってくれました。船の上で炭に火をつけて、お湯を沸かして、茶葉とお砂糖とミントを入れて、ワンショットくらいの小さなガラスのコップを2つ用意し、片方だけに紅茶を注いで、2つのコップで紅茶を移し替えながら泡を立てていく、、、、「アタヤ」を作るには日本のお抹茶を立てる時と同じように作法があるのですが、イブさんはそれがとても綺麗で手際が良くて見入ってしましました。そして、私たちにも2つのコップに紅茶を移し替える作業を体験させてくださりました。アタヤを飲み終わる頃には家の近くの波止場まで戻ってきており午前中の旅があっという間に終わりました。

 

④イブさんのご家族とお昼ごはん

 家に戻った後にプールで一泳ぎしてからお昼をどうしようか迷っていると(このお宿は朝食にみのプランしかないため)、イブさんが一緒に食べないか誘って下さいました。なんて優しいのでしょうか。しかもこのお昼ごはんがとても美味しくて、イブさんと、イブさんの親戚の子供達と私たちはであっという間に食べてしましました。一つのお皿をみんなで食べるのはやっぱりとても美味しいです。

お昼ごはん

⑤船の上で牡蠣の炭火焼き

 16時ごろ、ツアーの再開しました。日本だと16時は夕方の感覚ですが、セネガルでは16時はまだまだお昼の13時くらいの感覚で、とても日差しが強い時間帯です。運よくこの日丸々晴れていたのはよかったのですが、船に乗ってしばらくは日差しが強くて干からびそうでした笑 

 午前中は船で海の方へ降っていきましたが、午後は海から反対方向へ上っていきました。イブさんが途中船をマングローブに寄せて牡蠣を採集してくれました。マングローブの根には素人の目でも直ぐに見つけられるほどの沢山の天然の牡蠣がついていて、その牡蠣をイブさんが根っこを傷つけないように丁寧に採取していました。マングローブは一度切ってしまうと、なかなか再生が難しいこと、この場所は自然保護区のためマングローブを傷つけてしまうと捕まってしまうこと、牡蠣は3週間ほどで大きなサイズになり食べごろになることなど、マングローブ環境保護ボランティアのチーフをしているイブさんの話を聞いて、知識が深まりました(もっとフランス語を話せればもっと知りたいことが聞けたのに!そればもどかしかったです)。そして、採集した牡蠣は船の上で美味しくいただきました。

マングローブの根につく牡蠣

船の上で牡蠣


⑥Shell Island (Deourum Bu Mag)

 この島は貝殻島と呼ばれていて、3000年前からの地元の方の貝捨て場が、長い年月をかけて島になった場所です。ベルナパーニャ、牡蠣やムール貝などの貝殻からできているそうです。この島に行く前に牡蠣を食べましたが、ダカールにいる間に貝をあまり見かけないため、セネガル人は貝があまり好きではなく観光者向けなのかと思っていましたが、この土地の人は少なくとも3000前から貝を日常的に食べていたということを知ってとても親近感が湧きましたし、少し日本の貝塚にも似ている感じがしました。このエリアは2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されたエリアの一つで、保護区になってからは地元の人たちがこの場所に寝泊まりできなくなったそうです。この島の貝は持ち帰ることができるので、家族3人の3ついただきました。いいお土産です。

Shell Island

ベルナパーニャ、牡蠣やムール貝など

貝殻の断層ができている

貝殻島の上から見たサムール・デルタ

 

⑦Pelicans dormitory

 最後に連れて行ってもらったのが、Toubakoutaで有名なPelicans dormitory(ペリカンの寝床)です。この場所は大きな一本の木に見えますが、小さなマングローブがいくつか集まったもので、船で一周するのに2分くらいしかかからない小さな寝床です。この寝床に鳥達は日が沈むといくつかの集団で一斉に戻ってきて、朝6時くらいになるとまた餌を探しに遠くに行くそうです。明るい時は数羽の鳥しかいませんでしたが、日が沈み始めた時鳥達が寝床に戻ってくる光景は圧巻でした!!ペリカンは1羽しか見ることができませんでしたが、沢山の種類の鳥が帰ってきて、首を自分の脇に入れて眠る姿を見ることができました。誰からも襲われないようにこの場所を選んだ鳥達は賢いですね。

Pelicans dormitory

⑧最後に

 夕日を見ながらお宿に帰りながら、自分の周り全てが広大な海とマングローブでただただ感動しました。今日一日だけでマングローブを一生分体感した気がするし、次にもう一度行ったとしても同じ光景は見られないでしょう。日本の5分の1の面積しかない国で、日本では見ることができないスケールの大きさのものを見ると、この国はまだ守られているなと感じてしまいました。ただただ自然に圧倒された1日でした。

夕日

夕日が沈んだ後の大湾